加齢による老化は女性の薄毛をもたらします。でも、他の部位のアンチエイジングと同じように、髪も努力で老化を遅らせることが可能です。漢方で血余といわれるように、髪の毛はカラダの健康あってのもので、カラダと頭皮は同じ個体でつながっているからです。
Contents
老化の要因
以下の3つが老化の進行要因と考えられています。
1.活性酸素による酸化
人体がエネルギーを得るために外部から取り込んだ酸素のうち、2‐3%が活性酸素となって、細胞膜やDNAを傷つけます。また、紫外線も活性酸素を発生させる原因となり、脂質を過酸化脂質に変化させて細胞を傷つけます。
活性酸素の害は体内の酵素によって取り除かれていますが、酵素は加齢とともに減っていきます。
傷ついた毛包幹細胞は次第に毛髪をつくる能力を失っていきます。
2.たんぱく質の糖化
わたしたちのカラダがエネルギー源としている糖は、カラダを形作っているたんぱく質(コラーゲン)と結合し、じょじょに劣化させ、老化物質であるAGEs(最終糖化産物)を作り出します。とくに甘味料として使われている異性化糖(ぶどう糖果糖液糖や果糖ぶどう糖液糖)による変質はスピード等も速いのが特徴です。
肌を黄色くくすませたり、ハリを失わせるだけでなく、頭皮の細胞と抜け毛・白髪にも影響をあたえます。
3.細胞再生の失敗
わたしたちのカラダは外部刺激による傷をたえず再生していますが、その傷が再生能力以上に大きかったり、再生能力が足りない場合には再生に失敗して細胞が傷ついたままダメージが蓄積されていきます。
具体的には、事故などによる直接的な傷だけでなく、ストレスが大きい場合や、睡眠時間が短かったり、栄養が足りなかったりした場合などです。
そうした再生能力にはホルモン分泌も関係しています。抗酸化作用などのある女性ホルモンや、筋肉をつくる男性ホルモン(女性の体内でも副腎で作られます)、良質の睡眠をもたらすメラトニンなど、さまざまなホルモンが細胞再生にかかわっています。
再生能力が衰えると、髪の老化も進みます。
老化を防ぐ習慣
老化は、いい習慣によってかなり防げることがわかっています。髪を作る頭皮もカラダの一部ですので、カラダのアンチエイジングを心がけることで髪の老化カーブをゆるやかにすることができます。
髪を若々しく保つために、上記の老化要因ひとつひとつに対してどう対策すればいいでしょうか。
1.抗酸化
・バランスのいい食生活
抗酸化物質や、抗酸化酵素の材料となるたんぱく質や亜鉛などのミネラルを含む食事をバランスよく摂ることが大切です。忙しいときはサプリメントで補いながら、「抗酸化の空白日」を作らないように意識します。
・活性酸素の発生源を減らす
紫外線や喫煙・ストレスなど、活性酸素をもたらす要素を減らします。
活性酸素とその酸化を防ぐ方法について詳しくはこちらをご覧ください。
2.抗糖化
・糖質を少なめに
摂取する糖質を減らします。ご飯やパンなどのデンプンがブドウ糖や果糖になる他、果物などにも含まれます。現在はやりの糖質ダイエットは、主に炭水化物を減らすものですが、注意点はいきなりゼロにしないこと。炭水化物の替わりのエネルギー源となるたんぱく質や脂質をしっかりと摂ること。
糖質の替わりのエネルギー源としてたんぱく質が使われれば、髪の毛の材料となるたんぱく質も減ってしまうからです。
また、野菜を最初に、つぎに肉や魚、そのつぎにごはんやパン・パスタという順番で食べることで、糖化が抑えられます。
・ジュース等に含まれる異性化糖を摂らない
抗糖化のメインは、清涼飲料水やスナック、スイーツなどに含まれる異性化糖(フルクトースコーンシロップ:ぶどう糖果糖液糖や果糖ブドウ糖液糖)です。それらは老化を加速させ、糖化にとくに影響が大きいものです。
異性化糖はジュースだけでなくジャムや菓子パン、ケチャップなど多様なものに使われています。ですので、できるだけ摂取量を減らしていくよう意識していきます。
・紫外線とタバコ対策
紫外線とタバコは活性酸素の発生源であるだけでなく、肌の糖化ももたらします。できる限り影響を減らせるよう、日焼け止め等でしっかり対策しましょう。
3.スムーズな細胞再生
・良質の睡眠
しっかりと睡眠をとることが細胞の再生には最重要です。それを助ける成長ホルモンは寝ているあいだに多く分泌されます。また、ホルモンの分泌信号をつかさどる視床下部と下垂体は自律神経の中枢でもあるので、睡眠によって自律神経のバランスが整うと、ホルモン分泌にもいい影響を与えます。
・ストレスを減らす
強いストレスは自律神経に大きな影響をもたらし、女性ホルモンなどの分泌を阻害する原因となります。アロマや軽い飲酒、入浴などで副交感神経を優位にすることも有効です。軽い運動も大きな効果が確認されています。アルコールをとりすぎるとかえってカラダに負担がかかりますので注意が必要です。
・免疫力の向上
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)という、副腎でつくられるホルモンがあります。テストステロンやエストロゲンといった男性・女性ホルモンに変化するため、マザーホルモンともいわれます。
DHEAは免疫力を高め、卵巣機能や性欲をアップさせるため、若返りホルモンとも呼ばれます。山芋やイソフラボンなどに含まれており、そうした食品が老化防止に役立つと考えられています。
まとめ
老化の進行要因として、「活性酸素による酸化」「たんぱく質の糖化」「細胞再生の失敗」の3つが大きいと考えられます。
方法によっては、老化を防いだりダメージを減らしたりということが可能です。
しかも、それら老化防止の方法は、老化要因のどれにも効果的なので、すぐにも取り入れて習慣化したいですね。