梅雨から夏にかけては、湿度も高くなり臭いが気になるシーズンですね。
このシーズンは汗だけでなく、紫外線もニオイの原因になることを知っていますか?
また、ストレスによってニオイが強くなることがあります。
男性と比べて女性は髪が長い人が多く、髪の香りに混ざって気づきにくいのですが、頭皮からの臭いは男性と同じようにきつくなることがあります。
電車内などでふっと鼻先をかすめる嫌な臭い。その原因に自分もなっていた? 気になる男性と距離が近づいたとき、相手があなたの頭皮の臭いをかいで思わず息を止めていた?
そんなことのないように、頭皮のニオイの原因と対策を見てみましょう。
臭いの元となる皮脂
臭いの原因は汗だけではなく、常在菌と雑菌のバランスによっても強くなります。
また、紫外線によって皮脂が過酸化脂質に変化し、過酸化脂質がさらに皮脂(9-ヘキサデセン酸)を酸化分解することによって、いわゆる加齢臭の原因物質(ノネナール)を発生させます。
つまり
- 汗と皮脂
- 常在菌と雑菌の産生物
- 過酸化脂質により皮脂が酸化分解させることによる産生物
これらが臭いの元となります。
頭は身体でもっとも皮脂腺が多い場所です。頭皮や顔のTゾーンは皮脂腺が多く脂漏部位とよばれますが、頭皮の皮脂分泌は、顔の2~3倍といわれています。何らかの原因で皮脂が通常より過剰になると、常在菌のバランスが崩れて雑菌が繁殖します。また、過酸化脂質はニオイだけでなく肌の老化にも大きくかかわっています。
では、皮脂量の変化はなぜ起こるのでしょうか。
● ホルモンバランスの変化による分泌量の変化
女性の場合は、ホルモンバランスの影響による皮脂分泌の変化が大きいことが挙げられます。
男性の方が女性よりも皮脂の分泌は多く、臭いも強くなりがちです。そのため、脂漏性皮膚炎や脂漏性脱毛症にもなりやすいといわれています。一般的に女性の皮脂分泌が少ない(そのために臭いも少ない)理由は、男性ホルモンが皮脂分泌を促進させる一方で、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)には皮脂分泌を抑える働きがあるためです。また、エストロゲンには活性酸素をおさえる抗酸化作用があるため、皮脂ダメージに強いと考えられます。
ただ、下図にあるように、女性のホルモン量は基本的に28日周期で日々変化しています。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)には皮脂分泌を増やすはたらきがあり、排卵後から生理までにかけてはプロゲステロンの分泌量が多くなります。そのため、同じような毎日をすごしていても、皮脂の量は変化しているのです。
また、年齢によるホルモン量の変化も常在菌のバランスが崩れる原因となります。
女性の体内でも男性ホルモンが分泌されており、その量は女性ホルモンに比べて10倍以上も多いのです。そのため、とくに40代をすぎてエストロゲンの量ががくっと減ると、男性ホルモンの影響が強くなるのです。
年齢を重ねるごとに次第に女性ホルモンの分泌量は減少していきます。
すると相対的に男性ホルモンの働きが強くなり、皮脂の分泌量が多くなります。(ただし加齢によって皮脂腺のはたらきが弱くなり、頭皮が乾燥気味になる人もいます。)
男性型脱毛症は通常は男性に起こる症状ですが、女性も頭頂部の薄毛が進む場合もあります。
● ライフスタイルによる分泌量の変化
皮脂分泌量の変化は、年齢や28日周期によるホルモン量の変化によってだけ起こるのではありません。
生活習慣によっても分泌量は変化しています。
- 喫煙や飲酒
- 偏った食事(肉類・脂質・糖質が過度に多いなど)
- 睡眠不足
上記以外に強いストレスによっても女性ホルモンの分泌量は減り、皮脂分泌が多くなります。また、ストレスは活性酸素を増加させるため、過酸化脂質を発生させて細胞の酸化損傷を進めます。「皮脂の増加+細胞の損傷」は臭いの元となります。
また、紫外線も活性酸素を産生させ、結果的に皮脂分泌を変化させます。皮膚を保護するためにメラニン色素が生成されるなどした際、発生した活性酸素はビタミンEなどで除去されますが、そのためにビタミンEが欠乏した場合、女性ホルモンの生成に影響してくるからです。
● 間違ったヘアケアが皮脂分泌を加速させることも
また、間違った方法でヘアケアをすることで問題を加速させてしまうことがあります。
たとえば20代のころに使っていたような脱脂力の強めのシャンプーを使い続けたために、身体がそれを補おうとして皮脂分泌が過剰になっていた場合です。すると自分では気づかないまま皮脂が多いのだと思いながら、じつは頭皮には負担をかけていたということも。その場合皮脂は取り除けても、いつの間にか毛髪生成力を削いで薄毛を進行させる原因を作ってしまうことになります。
まとめ:臭いの対策
髪の毛で見えにくい頭皮。ニオイもなかなか自分では気がつかないものです。
ニオイは季節環境だけでなく、自分の体調によっても強くなったり弱くなったりしますので、ふだんから臭いの元となる原因をひとつひとつ消していくことを心がけることが大切です。
- 女性ホルモン分泌を阻害する要因(ストレス・煙草・飲酒・睡眠不足)を減らす
- 皮脂が増えない生活習慣(ゆったりとした入浴、アロマテラピー等でリラックス)
- ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化物質を含んだ食品を多くとる
- ビタミンB群を多く含む食べ物によって代謝を促進する
- ヘアケア商品の脱脂力や成分に気をつける
外側だけでなく、内側からも美髪女子でありたいものですね。