人間の成長には、子どもから老人までさまざまな過程があります。同じように、わたしたちの髪にもヘアサイクルというものがあります。
毛髪は、成長期・退行期・休止期という周期を通して成長していきます。休止期にあった髪の毛が抜け、新しい毛髪が生え、成長し、ふたたび脱毛するまでのサイクルをヘアサイクル(毛周期)といいます。
薄毛対策やヘアケアを行ううえで、ぜひおぼえておきたいのがヘアサイクル(毛周期)です。それを知らずに早急に結果を求めてしまうと、かえってストレスになったり、逆効果になることをしてしまったりするからです。
成長期(2~6年)
毛母細胞で活発に細胞分裂がおこなわれ、毛がつくられていく時期です。毛母細胞は酸素や栄養素を多く取り込んでいきます。
毛髪の約90%が成長期にあると言われています。
退行期(2~3週間)
毛母細胞の細胞分裂がしだいににぶくなっていきます。
休止期(3~4か月)
毛母細胞の細胞分裂が止まり、髪の毛が抜け落ちていきます。
ヘアサイクル(毛周期)の乱れ
通常は上記のような期間で髪は成長し抜けていきますが、何らかの要因で成長期が短くなったり、休止期が長くなることがあります。抜け落ちる毛の量が増えたり、場合によってはうぶ毛まで抜けてしまうことがあったり。
つまり、
-成長期が短くなる(成長期毛が減る)
-休止期が長くなる(休止期毛がふえる)
-早期成長期毛(うぶ毛)が抜ける(髪全体の本数が減る)
これらの結果として、全体的に毛のサイズが小さくなり、髪のボリュームが減っていきます。それで髪が薄くなったように感じられるのです。
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早期成長期
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中期成長期
↓
後期成長期
↓
退行期
↓
休止期
↓
脱毛(再生)
ヘアサイクルの乱れと重なるトラブル
上記のヘアサイクルの乱れだけでなく、他の要因が重なるケースがあります。
- 髪が細くなる(細毛化)
- ひとつの毛穴から生える髪の本数が減る
トラブルが重なって起こるケースはとても多いのです。
髪の毛を作る毛母細胞は、1.5日に1回の割合で細胞分裂を繰り返しています。そのために血液中の酸素と栄養素が多く必要とされます。それらが不足すると髪が成長できなくなります。つまり成長期にある髪の成長がにぶったり、休止期に入ったりしてしまうのです。たとえばダイエットや偏食で栄養素が摂取できなくなることで、毛が細くなったり、抜け毛の原因になったりします。毛髪環境の悪化が、毛の成長不全や脱毛症の原因を引き起こすのです。