10代
肉体の成長が活発で、新陳代謝の激しい時期です。にきびができやすくなるのと同じように、頭髪の毛穴にも老廃物がたまりやすくなります。皮脂の分泌が多くなり、フケがでやすくなったりも。地肌の状態や皮脂量にあったシャンプーで適度に洗うことが大切です。ただ、洗いすぎはよくありません。一般的に一日に二度の洗髪は洗いすぎで、頭皮や髪を守るための皮脂まで洗い流してしまいます。
また、体重が自然に増加しやすい+自意識が強くなる時期です。そのため、「もっと痩せなきゃ」「体重を減らさないと」とダイエットを意識している10代は圧倒的に多く、将来の頭髪だけでなく、身体への様々な影響が懸念されています。ところが、その悪影響はすぐにはあらわれません。
将来の薄毛を防ぐためには、10代のときの食事やケアが大切です。
20代
多くの女性が社会人になり、仕事のことや職場での人間関係の難しさに多くの悩みを抱える年代。仕事のストレス、生活リズムの乱れ、おしゃれを楽しむためのヘアカラーやパーマも頭皮に大きな影響を与えていることは案外知られていません。また、ダイエットも将来の髪に悪影響を与える大きな要素のひとつです。
ただ、女性の髪がもっとも美しくボリュームもある10代から20代にかけては、あまりはっきりと見た目にあらわれないので気づきにくいのです。
でも、それらは美髪をつくる元となる頭皮の状態やヘアサイクル(成長期から退行期、休止期を経て脱毛に到るサイクル)へ確実に影響を与えています。
30代
近年は結婚後も働きつづける女性が多くなりました。(2014年の平均初婚年齢は29.4歳です。)20代から引きつづき仕事の負担は増すばかり。でも責任だけでなくやりがいも増え、女性としての輝きも増す世代。ただ、そうした環境で食事や生活リズムが不規則になると、ストレスや栄養・睡眠不足から、頭皮環境も悪くなりがちです。
また、仕事のストレスなどの影響の他に、出産による抜け毛もあります。以前は20代が多かった出産ですが、現在は30代が多くなっています(2013年の平均初産年齢は30.4歳)。
体力の低下とともに、女性ホルモンの分泌量も20代後半から30代にかけて下降線をたどりはじめます。20代のときとくらべて無理がきかなくなった、肌の調子が悪いなど、肉体の衰えを感じはじめます。そんな時期と出産が重なると、子育ての疲れもたまりがち。産休からすぐに仕事に復帰する女性も多く、仕事・家事・子育てと超多忙。毎日の負担は増すばかりで、ついつい自分のケアが後回しになってしまうことも多いでしょう。
肉体疲労・睡眠時間不足・心的ストレス・ケア不足。そうしたことが複合的な要因となって毛髪の成長に影響を与えています。
40代
仕事や子育てを一生懸命やっていたらいつの間にか40代になっていた、そんな方も多いのでは? 30代のときに多忙でなかなか自分自身のケアができなかったり、生活リズムが乱れたりすると、そのつけが大きくではじめる時期。ふだんのケアを怠ると、20代や30代のころと違って肌などにすぐ影響があらわれるようになります。
また、肉体の衰えが顕著になり、体調不良をおぼえたりと更年期の影響も。体型が大きく崩れやすい年代でもあります。
日ごろのストレスなどの要因とあいまって髪が痩せたり、白髪や薄毛がかなり進行するケースも多々見受けられます。
50代
親の介護や自身の健康問題で、日常生活のバランスが崩れやすくなる年代です。閉経後、更年期障害などもあらわれ、日常生活の支障となるほどの影響も多くでてきます。女性ホルモンのバランスの崩れから、気持ちの振幅も大きくなりがちです。頭髪に関しても、抜け毛が多くなると極端に悲観したり、治まると安心したり。
そうした身体の変化からくるストレスをうまく処理できずに抱えつづけると、毛髪への影響も大きくなります。
60代
今の60代はまだまだ気持ちも若く行動的な人も多い年代です。
それでも刻々と身体は変化し、急速に抜け毛が進行する場合も見られます。老化といってしまえばそれまでですが、まだまだおしゃれも楽しみたいものです。何より、髪は見た目の老け感を大きく左右します。
高齢になってからの薄毛の改善は難しいと思われがちです。そのイメージは、歳とともに白髪が増えることが影響しているのかもしれません。ただ、毛をつくる毛母細胞と黒い色のもと(メラニン色素)をつくるメラノサイトはそれぞれ別の組織で、関係はありません。
じつは、若いときよりも高齢になったときの方が薄毛の改善率が高いという結果が発表されています。
若い人ほど過度なヘアケアを行う傾向が見られますが、60代以上の方にそのようなことはほとんどありません。さらに、生活習慣においてストレスが少ない傾向が見られることなどもプラスの要因です。
あきらめずにヘアケアを行うことで、見た目もぐっと若返ります。