気長なケアが必要な理由

一般的に人の頭髪は約10万本あると言われています。そして、そのうち毎日30~100本が生え替わっています。

その頭髪がぜんぶ生え替わるまでの時間を単純な計算で考えてみましょう。

ヘアサイクルと、髪の生え替わり期間の関係

平均的な毛髪量10万本の髪の毛のうち、毎日100本抜けるとします。順番に抜けて生え変わるとしたら、全体でどれくらいの期間がかかるでしょうか。

100,000本÷100本/日=1,000日

単純計算でも、ぜんぶ抜けるまで単純計算で1,000日、約3年かかります。
そして、抜けたあとには新しい髪の毛がはえてきます。髪は、はえはじめて毎日おおよそ0.3~0.5ミリずつ成長します。40センチになるまで800~1,300日かかる計算です。

最初の方で抜けた髪の毛は、単純計算では最後の方の髪が抜けるまでに生え替わり、40センチほどにまで成長しているというわけです。でも、じっさいには抜ける髪が30本ほどの日もあれば100本の日もありますよね。さらに、通常髪は抜けてからすぐに生えてくるのではなく、3~4か月の休止期をへて、成長期に入りますが、休止期が長い場合も短い場合もあります。

 

参考リンク

余計なストレスを抱えないためにも、ヘアサイクルを理解したケアが大切です

かならずおぼえておきたい!ヘアサイクルと髪の成長

つまり、一日100本抜ければ1000日で生え変わるというのは単純計算にすぎず、バラつきがあるということです。でも、確実にいえることは、それらは3年ほどの時間をかけて生え変わっているということです。

 

抜けた髪の再生に必要なのは、その髪が育ってきたのと同じ期間

女性の髪の成長期間は2~6年と言われています。腰くらいまでの長髪の女性がいるのは、そこまで伸びる期間、毛母細胞がキープされているから。それ以上伸びるのが難しいのは、成長期間に限りがあるからです。

さまざまな外的環境・内的環境のなかで髪は伸びていきます。

何らかの問題で成長期が短くなり、休止期が長くなることもあります。すると抜け毛が増えなくても、髪全体のボリュームの変化が生じます。しばらくのあいだ抜け毛が多くなることもあります。秋口や出産後のように、一日に200本以上抜けることもあります。するとまた髪全体のボリュームの変化が生じます。

その変化の度合いが大きく感じられて、急に心配になるかもしれません。でも、どうか、気にしすぎないようにしてください。それがストレスとなる方が、頭皮環境にはよくないからです。

ロングヘアの場合にはボリューム変化の度合いが大きく感じられて、急に心配になるかもしれません。

そんなときには、できるだけ冷静に観察してみてください。抜け毛が増えてボリュームが一時的に減ったのか、うぶ毛の生え具合はどうか。3,4ヶ月たってもうぶ毛があまり見当たらないようなら、休止期毛が増えているのかもしれません。でも、休止期毛は毛母細胞が死んでしまったわけではなく、あくまでも休止期にあるだけです。ですから、ケアをしっかり行っていればふたたび生えてくる可能性が高いのです。

 

ヘアサイクルを知ることで、冷静な対処が可能に

髪の成長・生え変わりのサイクルについて知っていれば、ある程度の切り分けと冷静な対処が可能です。

何らかのトラブルがあるにせよ、髪が抜けやすい時期だったにせよ、すぐに元の長い髪が戻るわけではありません。トラブルに直面すると、わたしたちは即効のツールを求めてしまいがちです。パニックになって、魔法のような言葉を信じてしまったり、いいと聞いた方法に飛びついたり。

でも、いったん破壊された頭皮環境を回復するには、年単位での期間が必要だということを思い出してください。髪と頭皮にかんする知識があれば、効果が遅く感じられても、不要なストレスを抱えずにすみます。

抜け毛は、その原因に注意しながら気長にケアしていくことが大切ですし、同じように美髪にも根気強い習慣が大切です。

 

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